2016 年 32 巻 2 号 p. 179-186
シアノバクテリアのポリアミン構成カタログへの追加のために,特徴的な14 株のシアノバクテリアから酸抽出したポリアミン画分の高性能液体クロマト(HPLC)と高性能ガスクロマト(HPGC)による追加分析を行った.群体形成Nostoc verrucosum ‘アシツキ’はNostoc commune ‘イシクラゲ’を含む他のNostoc やAnabaena 種(Nostocales 目)と同様にホモ スペルミジンを含有していた.耐熱・耐塩性Spirulina subsalsa var. salina(Spirulinales 目)は淡水産Spirulina subsalsa と同じスペルミジンであった.淡水産・群体形成Aphanothece sacrum ‘スイゼンジノリ’ (Chroococcales 目)はプトレスシン, スペルミジンとホモスペルミジンを含有したが,耐塩・好アルカリ性 Aphanothece halophytica や Microcystis 種はスペルミジンのみであった.プトレッシン,スペルミジン,ホモスペルミジン,アグマチンに加えてサーモスペルミンが耐塩・好アルカリ性 Arthrospira platensis ‘スピルリナ’ (Oscillatoriales 目)に検出された.Synechococcales 目のクロロフィルb 含有-海産 Prochlorococcus marina はスペルミジンで,クロロフィルd 含有-海産 Acaryochloris marinaはスペルミジンとホモスペルミジンであった. 好熱性のThermosynechococcus vulcanus と Thermosynechococcus sp. NK55a は Thermosynechococcus elongatus と同様,低含量のホモスペルミジンの他に低含量のスペルミンを有していた.追加分析14 株と既分析126 株でのポリアミン構成は系統分類の化学分類マーカーとして確立されないが,スペルミジン型,ホモスペルミジン型,スペルミジン / ホモスペルミジン混合型に区分された.