抄録
本稿は,気候変動適応策を行うにあたり有効かつ必要とされる適応管理(adaptivemanagement)について,法的観点から検討した。気候変動の影響により環境状態が激変することが予想される中で,環境法も従来のままでは機能不全に陥るおそれがあるため,柔軟性を備えなければならない。環境法の柔軟化の方法として適応管理の導入が提唱されるが,その導入にあたっては,行政の裁量または権限の拡大と民主的統制の関係,柔軟性と法的安定性の関係など課題もある。以下では,気候変動時代の環境法の限界,適応管理の概要,適応管理導入による法的課題について述べる。