抄録
地球規模で環境問題が深刻化するなか,気候変動対策や生物多様性対策,資源循環対策を統合的に実施していくニーズが生じている。本稿では,複合環境問題に直面する企業担当者らと意見交換することを通じて得られた知見をもとに,統合的なアプローチには定性的構造把握,定量的評価,対応策実施という3つの柱があること,統合的対応を困難にさせる要因には少なくとも10の要因があることを示した。さらに,企業等には統合的に対応するリソースには限界があることから,段階的に取り組みを進めていくべきとし,「対応への認知とコミュニケーション」「マネジメント」の2つに分けて対応策の方向性を示した。