抄録
環境省は,環境保護に関する南極条約議定書に基づき1997年(平成9年)に制定された南極地域の環境の保護に関する法律を所管し,日本国民が南極地域で行う活動がその原生的な自然環境に影響を与えないよう,確認制度の普及と適切な運用に努めてきた。また,南極地域観測活動において基地が周辺の環境に与える影響を監視するモニタリングの方針作成や実施を担ってきた。しかし,近年,南極地域における観光活動の活発化を背景に,特定の場所における観光活動の集中,累積的な影響のほか,南極環境に重大かつ有害な影響を及ぼしうる事故への対応も求められている。本稿では,環境省によるこれらの新たな課題に対応した取組について紹介したい。