著者らは,自家発酵ヨーグルトの冷蔵,植え継ぎ,ならびに味付け食品や酒類との共存下における生菌数の変動を検討した。冷蔵庫で保存したヨーグルト中の生菌数は1週間で約1/4ずつ経時的に減少した。植え継ぎによる生菌数の変化はヨーグルトの種類による差が多少見られたが,実用上問題になるほど大きいものではないと考えられた。また,他の食品との共存によるヨーグルト中の生菌数への影響を検討した結果,通常の味付け食品による影響はほとんどみられなかったが,高濃度のアルコールを含む酒類の共存によって生菌数が減少した。しかし,低濃度のアルコールを含む酒類の共存下ではヨーグルト中の細菌の増殖が有意に増強されることが分かった。これらの結果は,我々が,比較的簡便に,自分で作製した好みの手作りヨーグルトを日常的に食べ続けることが可能であることを示唆している。
(オンラインのみ掲載)