栄養学雑誌
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食事写真からみた女子大学生の主食・主菜・副菜の摂取状況と質問紙への回答の関係
永井 千恵莉須藤 紀子
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2016 年 74 巻 6 号 p. 182-190

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抄録

【目的】主食・主菜・副菜の摂取状況に関する質問紙調査は,食生活の評価指標としてよく用いられている。この質問紙への回答が実際の摂取状況をどの程度正確に反映しているかを明らかにすることを目的とした。
【方法】某女子大学の管理栄養士養成課程に所属する4年生33名から,主食・主菜・副菜の摂取状況に関する質問紙への回答と7日間の食事写真を得た。提出された食事写真から主食・主菜・副菜の摂取の実態を把握し,質問紙への回答との一致度,過少もしくは過大回答の傾向,相関を調べた。食事撮影後のインタビュー逐語録から,質問紙への回答と食事写真からみた摂取頻度が異なる理由をグループ化した。
【結果】主食・主菜・副菜の摂取頻度に関する質問紙への回答は過少申告よりも過大申告が多くみられた。とくに主菜においては36.4%が過大申告していた。質問紙への回答と食事写真からみた摂取状況が異なった理由は,インタビューより(1)知識や意識の不足,(2)意識と実態のズレ,(3)質問紙への回答の不備の3要因に大別された。
【結論】今回の結果からは,主食・主菜・副菜の摂取状況を質問紙調査により把握することは,過大申告傾向にあり,実際の摂取状況を正しく反映していない可能性が示唆された。

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© 2016 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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