栄養学雑誌
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研究ノート
中学生の体格と生活習慣の関連
─男女別による低体重と過体重の検討─
栁川 由布子赤松 利恵
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キーワード: 中学生, 生活習慣, 体格
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2018 年 76 巻 3 号 p. 57-64

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抄録

【目的】中学生の体格に関連する生活習慣を検討すること。

【方法】2015年6月福島県教育委員会が県内公立中学校16校の中学2年生1,980人を対象に実施した「食生活に関するアンケ-ト」のデータを用いた。体格の判定は,肥満度≦-10%を低体重,-10%<かつ<10%を標準,≧10%を過体重とした。男女別に生活習慣を独立変数,従属変数を体格とし,χ2 検定と多項ロジスティック回帰分析を用いて検討した。

【結果】1,904人(有効回答率96.1%)を対象とした結果,男子では食べる速さが速い者に低体重が少なく[オッズ比=0.57(95%信頼区間=0.33~0.97)],おやつの頻度が週4日以上の者に低体重が多かった[1.68(1.12~2.52)]。運動を体育以外しない者[2.48(1.47~4.18)],食べる速さが速い者に過体重は多く[1.59(1.02~2.47)],おやつの頻度が週4日以上の者に過体重が少なかった[0.42(0.26~0.67)]。女子ではおやつの頻度が高い者に低体重,テレビ等の時間が2時間以上の者に過体重が多かった。

【結論】中学生の男子では食べる速さが普通・遅い,おやつの頻度が高いことは低体重,食べる速さが速い,おやつの頻度が低い,運動習慣がないことは過体重に関連していた。女子ではおやつの頻度が高いことと低体重,テレビ等の時間が長いことと過体重が関連していた。

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© 2018 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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