栄養学雑誌
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職域・年代別による管理栄養士に必要な資質・能力の特徴
小切間 美保中西 朋子林 芙美大久保 公美北島 幸枝掃部 美咲鈴木 志保子
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2019 年 77 巻 Supplement 号 p. S70-S77

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抄録

【目的】多様な職域に所属している管理栄養士が,現在の仕事で必要と考える資質・能力について調査し,職域別,年代別の分析をもとに,求められる資質・能力について検討した。

【方法】2017年7月に公益社団法人日本栄養士会会員で,年代5区分における8分野・領域の管理栄養士取得者203名を対象とした。調査は,現在の仕事で求められる資質・能力(19項目)の重要度について5段階で評価を依頼し,それぞれを点数化した。因子分析を行い,得られた因子の下位尺度得点を用いて,医療,行政,食育・教育,高齢者福祉,給食,企業,フリーランスの7職域別に比較した。また,年代別の検討も行った。

【結果】因子分析により4因子が得られ,各因子の下位尺度得点は「職業意識」4.8点,「課題対応力」4.7点,「組織運営力」4.0点,「研究力」3.3点の順であった。職域別の特徴では,「課題対応力」が食育・教育に比べ企業,行政,給食で高かった。また,フリーランスは最も低い値であった。給食では,「組織運営力」の重要性が高かった。年代別の特徴では,50,60歳代で「課題対応力」「研究力」が他の年代より高く,「組織運営力」は,40歳代以下より50歳代で高い値を示した。

【結論】管理栄養士の職域別,年代別に,必要な資質・能力の重要性が示され,管理栄養士に必要な資質・能力は,職域や年代によって特徴があることが示唆された。

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© 2019 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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