栄養学雑誌
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研究ノート
居住形態別にみた女子大学生の野菜,栄養素等摂取量と野菜摂取のセルフ・エフィカシー
江田 真純河嵜 唯衣赤松 利恵藤原 葉子
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2022 年 80 巻 4 号 p. 239-245

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抄録

【目的】女子大学生の野菜摂取量増加に向けて,居住形態別に野菜摂取量,栄養素等摂取量を比較し,野菜摂取量と野菜摂取のセルフ・エフィカシー(以下,SE)の関連を検討すること。

【方法】女子大学生218人を対象に行った簡易型自記式食事歴法質問票による野菜摂取量,栄養素等摂取量と,属性,野菜摂取のSEの回答を使用した。χ2 検定,Mann-WhitneyのU検定を用いて,居住形態別に属性,野菜,栄養素等摂取量を比較し,Spearmanの相関係数を用いて,野菜摂取量と野菜摂取のSEの関連を検討した。

【結果】一人暮らしの者は80人(36.7%),家族・その他と同居の者は138人(63.3%)であった。一人暮らしの者は野菜,栄養素等摂取量のほとんどの項目で家族・その他と同居の者より摂取量が低かった(すべてp<0.05)。居住形態別にみた総野菜摂取量と野菜摂取のSEの関連は,一人暮らしの者では中程度の正の相関がみられ(rs=0.60,p<0.001),同居の者では弱い正の相関がみられた(rs=0.27,p=0.032)。

【結論】一人暮らしの女子大学生の野菜摂取量と栄養素等摂取量は家族等と同居の者と比較し,低かった。また,野菜摂取のSEを高めることは,一人暮らしの者の野菜摂取量の向上に活用できる可能性が示唆された。

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© 2022 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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