2024 年 82 巻 1 号 p. 44-57
【目的】Food-based dietary guideline (FBDG) を対象とし,野菜類の1日あたりの推奨摂取目標量ならびに野菜類の分類を健康日本21 (第二次) における野菜類の目標項目と比較することとした。
【方法】諸外国 (30ヵ国) のFBDGから野菜類の推奨摂取目標量を抽出し,策定根拠の有無を確認し,野菜類の分類に一貫性が見られていない食品 (野菜ジュース,じゃがいも,じゃがいも以外のいも,豆類) および地域別に摂取習慣が異なる可能性が高い食品 (漬け物,きのこ類,藻類) を対象項目とし,野菜類の分類を整理した。
【結果】日本と同じく,野菜類が独立した食品群として推奨された国は19ヵ国であり,推奨摂取目標量の範囲は 160~900 gに設定されていた。9ヵ国では野菜類と果物類を,2ヵ国では野菜類と豆類を合わせて推奨摂取目標量が設定されており,その範囲は 300~1,100 gと幅が広かった。また,日本を含めた19ヵ国のFBDGで野菜類の推奨摂取目標量の策定根拠が説明されていた。じゃがいもと豆類が野菜類に含まれるか否かについては,ほぼすべてのFBDGで明記されており,7割以上のFBDGで野菜類に分類されていなかった。野菜ジュースは12ヵ国で分類が不明であったが,日本を含め16ヵ国では野菜類に含まれていた。きのこ類については,分類が明記されていない11ヵ国を除き,日本以外のすべての国で野菜類に含まれていた。
【結論】国や地域における食文化は異なるため,日本の野菜類の推奨摂取目標量との相互比較は困難であった。