1962 年 20 巻 5 号 p. 169-171
1) 下肢切断者の歩行のR. M. R. は1.96~5.99 (31~50m/分) で歩行速度を考えると健康人のそれよりもかなり高い値である。
2) 片下肢切断者のR. M. R. は約3.0, 両下肢切断者のR. M. R. は約5.1と障害の程度に並行して高くなることがうかがわれる。
3) 脳性小児麻痺, 四肢崎型, 筋萎縮のR. M. R. は夫々4.4 (34m/分), 3.6 (35m/分), 2.8 (39m/分) であつて脳性小児麻痺者のR. M. R. が最も高かつた。
4) Cal/100m/kgで比較すると障害者の平均は0.225Cal/100m/kgを示し, 成人男子の0.089 (90m/分) 0.104 (50m/分) に対して2.5~2.1倍の値を示した。
5) 歩行補助器の使用によつて, 歩行速度及びCal/100m/kgの値に良い結果を生じ, 歩行能率を向上させる事がうかがわれた。