1972 年 30 巻 4 号 p. 182-186
1) ラットにおいて多価不飽和脂肪による高脂肪・高たん白質群においては, コレステロール値および血糖値の低下がみられ, また耐糖能では良好の傾向がみられた。このことは制限熱量の範囲内で, 多価不飽和脂肪酸の比率を高くすることにより糖質代謝, 脂質代謝を良好にするものと思われる。
2) 低脂肪の群には高たん白質と高糖質の2つの群があるが, TGが高い値を示したのは高糖質の群であった。すなわち, TG値を低くするには脂肪の制限だけでなく糖質の制限も必要であるといえる。
3) 高糖質・低たん白質群においてはたん白質が5%とかなり低い率であるが, 血清コレステロールの上昇は著明ではない。