栄養学雑誌
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家庭における幼児の間食について (第1報)
幼児の間食食品別摂取度と摂取方法について
荒井 昭代
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1979 年 37 巻 2 号 p. 83-91

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抄録

昭和53年夏季に岐阜県揖斐郡池田町, 大野町で行われた1歳6カ月児, 3歳児健診に来た幼児256人と育児担当者を対象とし, 各間食食品の摂取度と摂取時間, 量が決められているか否かについて調査を行い次の結果を得た。
1) キャラメル, チョコレート, チューインガムの甘味の強い食品は3歳児に多く摂取され, ビスケット, ボーロ・マコロンは1歳6カ月児に多く摂取されていた。ポテトチップ, スナック菓子, あめ, あられ, せんべいについては多くの幼児が摂取し, 特にポテトチップ, スナック菓子はほとんどの幼児が摂取していた。カステラ, シュークリームは時々食べるものが多く, ポップコーン, 和生菓子, 落花生は半数以上の幼児が摂取していなかった。
2) 牛乳, 清涼飲料, 冷菓は多くの幼児に摂取され, 特に牛乳, 酸乳飲料, アイスクリーム・アイスキャンデーなどはほとんどの幼児が摂取していた。
3) バナナ, スイカ, 焼きそば・お好み焼き, 菓子パン, プリンはほとんどの幼児が摂取していた。野菜類は間食としての摂取が少なかった。
4) 手作りの間食食品は半数以上の幼児が摂取していなかった。
5) 菓子類の食品において3歳児では甘味の強い食品を摂取するものは他の甘味の強い食品との摂取が多く, 塩味の食品を摂取するものは甘味の強い食品より, 他の塩味の食品を摂取するほうが多かった。
6) ほとんどの食品について,「摂取時間は決めていないが量は決めている」家庭が多かった。しかし, 3歳児において「時間・量は決めていない」家庭がほとんどの食品について約30~45%みられ, 特に甘味の強い食品や炭酸飲料については「時間・量は決めていない」家庭が半数近くみられた。

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