1980 年 38 巻 4 号 p. 197-206
しょ糖とでん粉を糖質源とする飼料が, Sprague-Dawley 系ラットの血清ならびに肝Chlレベルに与える影響を, 性差, 飼育期間, 飼料組成などの実験条件を変えて検討した。その結果, 本実験条件下では飼料たん白質レベルの差異が, 成長や臓器重量に及ぼす影響が大きく, 糖質源の違いによる著しい変動は認められなかった。また, 肝臓と腎周囲脂肪組織重量はでん粉よりもしょ糖を糖質源に用いると増加傾向を示した。各種栄養条件下での血清Chl値への影響は, 糖質源, 脂質源やたん白質レベルの違いでは, 顕著でなかった。しかし詳細に比較すると正常たん白質飼料では糖質源としてしょ糖を用いた群で血清Chl値は高く, 低たん白質飼料ではでん粉群で増加する傾向が認められた。肝全Chl値については, ラード飼料ではしょ糖が, サフラワー油飼料ではでん粉が上昇効果をもたらした。TGは, 血清及び肝臓のいずれも糖質源の違いが顕著にみられ, しょ糖で上昇することが認められた。