栄養学雑誌
Online ISSN : 1883-7921
Print ISSN : 0021-5147
ISSN-L : 0021-5147
過剰リン食によるラット体内のカルシウム, リンおよびマグネシウムの動向について
秋元 誠鈴木 和春遠藤 幸江五島 孜郎
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 44 巻 2 号 p. 79-86

詳細
抄録

過剰P食投与による変化を, 初体重約110gの Wistar 系雄ラットを用いて40日間観察したところ, 体重増加量および飼料摂取量は, 過剰P食の影響により, 過剰P食群 (EP) が正常P食群 (NP) に比し低値を示した。
EP食によりPの吸収率は増加し, Mgのそれは逆に低下した。尿中のCa, PはEP食で明らかに高い排泄率を示した。
飼料を交換することによる変化は, P, Mgについては交換直後にみられ, Caは10日から15日間ぐらいの日数を要した。
腎臓Ca濃度は, EP群がNP群の約160倍, P濃度は約3倍という高値を示した。
EP群の血清P濃度は, NP群に比し上昇傾向を示し, CaおよびMg濃度は低下した。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本栄養改善学会
前の記事 次の記事
feedback
Top