1986 年 44 巻 6 号 p. 343-347
ある国家公務員の職域125名について, 肥満の実態と, 血中TG, TCおよびUA値につき調査を行い, 次の結果を得た。
1) 標準体重の110.1%以上の肥満者が48名 (38.4%) に認められた。
2) 血中TGが150~199mg/dlを示す軽度, ないし200mg/dl以上を示す高度の高TG血症が38名 (30.4%) に認められ, 200mg/dl以上の高TC血症も39名 (31.2%) に存在した。また血中UAが7.1mg/dl以上を示す高UA血症も40名 (32.0%) に認められた。
3) 年齢とTC, 肥満とTGは平行した変化を示し, UAは肥満とTGと密接に関係した。
以上より, 社会生活を支障なく営むグループの中においても, 肥満, 高脂血症あるいは高尿酸血症がかなり高頻度に存在することが明らかとなった。このことは成人病の予防上も大きな問題と考えられ, 今後食生活とアルコール摂取の現状を調査することが必要である。