栄養学雑誌
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母親の食意識及び態度が子どもの食行動に与える影響
冨岡 文枝
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1998 年 56 巻 1 号 p. 19-32

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抄録

農村部と市街部の母親と子どもの食意識と食行動の差異を知りたいと考え, 農村部と市街部の小学校2年生, 4年生, 6年生とその母親1,140組2,280人を対象として調査を行った。結果は次のとおりであった。
1) 農村部の母親の食意識と食行動を市街部の母親と比較すると, 食事を楽しむ意識と, 健康・安全の意識が低く, 子どもに対する食教育は, 食のリズムや栄養バランスのとれた食事を修得させるための配慮と子どもに購入実践させることが少なかった。
2) 農村部の子どもの食意識を市街部の子どもと比較すると, 規範的・健全な食意識の定着が低く, 外部食情報への関心とおいしい物を食べたい欲求が高かった。
3) 農村部の子どもの食意識の改善のためには, 母親は家庭の食卓を重視し, 家族一緒に楽しい雰囲気で, 食物の量・質とも子どもに適した食事を提供し, 食のリズムと栄養バランスのとれた食事を体験的に修得させ, 習慣づけることと, 食品の購入知識の教育を強化することが必要と思われた。

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