栄養学雑誌
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56 巻, 1 号
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  • 吉田 企世子
    1998 年 56 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1998/02/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
  • 堀 光代
    1998 年 56 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 1998/02/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    肥満は生活習慣病 (成人病) の危険因子として知られている。人間ドック受診者における肥満者検査値の加齢変化の男女差を, 血圧及び血液検査8項目について検討した。
    対象は愛知県内の地方自治体職員のうち, 1993年4月から1995年3月の人間ドック受診者 (総数1,024人, 男性642人, 女性382人; 年齢18~69歳) とした。肥満度は“身長(m)2×22”を標準体重とし, 標準体重の20%以上の者を肥満者とした。年齢は44歳以下と45歳以上に大別し, 血圧, 血糖, 総コレステロール(TC), HDL-コレステロール (HDL-C), 中性脂肪(TG), AST (GOT), ALT (GPT), γ-GTP及び尿酸の各項目の検査値を比較検討した。
    受診者中の肥満者の割合は全体で約13% (男性肥満者82人, 女性肥満者49人) であった。
    各項目別の異常者の割合は, 男性肥満者ではALT, γ-GTP, TCで高く, 加齢による変化では血糖が顕著で, 尿酸, 血圧がそれに次いだ。女性肥満者では, TC以外は異常値を示す検査値が男性に比べ少なく, 加齢による変化では肥満者の増加に伴うTC値の上昇がみられたのみであった。
    以上のことから, 肥満者の検査値は, 男性が女性より異常値を示す項目が多く, 加齢に伴う変化が女性に比べ男性に強く現れていた。
  • 冨岡 文枝
    1998 年 56 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 1998/02/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    農村部と市街部の母親と子どもの食意識と食行動の差異を知りたいと考え, 農村部と市街部の小学校2年生, 4年生, 6年生とその母親1,140組2,280人を対象として調査を行った。結果は次のとおりであった。
    1) 農村部の母親の食意識と食行動を市街部の母親と比較すると, 食事を楽しむ意識と, 健康・安全の意識が低く, 子どもに対する食教育は, 食のリズムや栄養バランスのとれた食事を修得させるための配慮と子どもに購入実践させることが少なかった。
    2) 農村部の子どもの食意識を市街部の子どもと比較すると, 規範的・健全な食意識の定着が低く, 外部食情報への関心とおいしい物を食べたい欲求が高かった。
    3) 農村部の子どもの食意識の改善のためには, 母親は家庭の食卓を重視し, 家族一緒に楽しい雰囲気で, 食物の量・質とも子どもに適した食事を提供し, 食のリズムと栄養バランスのとれた食事を体験的に修得させ, 習慣づけることと, 食品の購入知識の教育を強化することが必要と思われた。
  • 宮城 重二
    1998 年 56 巻 1 号 p. 33-45
    発行日: 1998/02/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    首都圏における高校, 専門学校, 短期大学, 大学の女子1,014人について, その肥満度の実態を明らかにし, また, 肥満度と食生活, 健康状態, 体型意識との関係を検討した。更に, 肥満度や健康状態に影響を与える因子についても検討を加えた。その結果は次のとおりであった。
    1) BMIの平均値は全体で20.4であった。やせ群 (BMI<18) は全体の10.1%, 肥満群 (BMI≧24) は全体の5.6%であった。中間の普通群 (18≦BMI<24) は84.3%であった。
    2) 朝食を“毎日食べる”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高く (p<0.05), 肥満群では低かった(p<0.01)。食事を“満腹するまで食べる”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では低かった (p<0.05)。間食を“よく飲食する”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高かった (p<0.05)。清涼飲料水を“毎日飲む”者の割合は, 普通群に比べてやせ群では高かった (p<0.01)。“元気である”という主観的健康の割合は, 普通群に比べてやせ群でも肥満群でも低かった (p<0.05)。
    3) 現在の体型を過大評価している者が多く, しかも, 今後の体型意識も強いやせ志向がみられた。体型誤認や過激なダイエットによって健康障害に陥りやすいと考えられる者の推定値は, BMIが18未満のやせ群で約10~20%, 若年女子全体では約1~2%であった。
    4) 肥満度に影響を与える因子としては, 清涼飲料水が有意な関連を示し, 朝食, 食事量, 間食, 運動には関連が認められなかった。主観的健康に影響を与える因子としては, 朝食, 運動が有意な関連を示し, 肥満度, 食事量, 間食, 清涼飲料水には関連が認められなかった。
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