幼児を育てている母親の食行動パターンと食意識との関連を検討し, 次のような結果が得られた。
1) 食生活上で重点を置く順位は, 栄養管理, 安全性, 楽しみ, 経済性, 調理技術, 簡便性の順であった。
2) 楽しみと安全性は, 食生活管理が高いパターンを特徴づけ, 食の家庭外依存は楽しみを, 家庭内調理は安全性を重視するためである。
3) 家庭内調理技術を活かした食生活を楽しむことは, よりよい食生活管理の実現となり,“食を楽しむ”食事観の育成が重要である。
4) 経済性・簡便性は, 食生活管理に無関心な食行動パターンに内在し, 家庭内調理を減少させている食意識である。
5) 食行動パターンの意識構造は安全性, 楽しみ, 簡便性, 経済性・簡便性からなっている。そこで, 食行動パターン別に対応した食教育は, これらの食意識を踏まえたものとなっており, 行動変容に有効である。