日常よく用いられる野菜46種類, いも3種類, きのこ2種類, 果実15種類を試料とし, ジューサーで搾汁し, 水溶性区分の活性酸素消去能, 特にスーパーオキシドアニオンラジカル(O
2-) 消去能をルミネッセンス法を用い検討した。1試料については1~10,000倍の5段階の希釈濃度で測定し, IC
50を求め, 次の結果を得た。
1) 実験に供した試料中, 黄ピーマンと赤ピーマンに最も高いO
2-消去活性が存在することが分かった。次に, トマト, プチトマトなどが高い活性を示した。にんじんは, 原液ではO
2-消去活性が存在するが, 他の野菜と比較すると低かった。今回は搾汁したジュースを用いたことから, 脂溶性成分であるβ-カロテンなどが抽出されず, 活性が低くなったことが考えられる。
2) 緑黄色野菜のチンゲン菜, アスパラガスは1,000倍希釈でO
2-消去活性を示したが, その他の野菜であるかぶ, キャベツ, たまねぎ, 根しょうが, にんにく, 大根, 白菜などは1,000倍希釈でもO
2-消去活性を有し, 高い活性のあることが分かった。これらの結果は, 水溶性区分に含まれるポリフェノール, ビタミンCやその他の成分の総合作用に起因すると考えられる。
3) 野菜を植物学的及び利用する部位により分類した場合のO
2-消去活性は, 一部例外もあるが, 果菜類のナス科, 根菜類のアブラナ科・スイレン科, 葉菜類のアブラナ科・ユリ科, きのこ類のシメジ科に高い活性を認めた。
4) 果実類の中では, 柑橘類のグレープフルーツ, レモン, オレンジ, 温州みかんにO
2-消去の高い活性が認められた
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