栄養学雑誌
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高校生の肥満, 血圧高値者における食生活, 生活習慣ならびに疲労自覚症状について
林 辰美伊東 るみ二宮 正幸伊藤 雄平
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2002 年 60 巻 2 号 p. 93-97

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抄録

我々は, 先駆的に小児生活習慣病予防健診を実施しているS県KおよびH地区において, 1999年4月に身長, 体重および血圧測定を高校1年生1,542人 (男子794人, 女子748人) に対して行った。健診の基準値として用いている肥満度が50%以上の生徒および血圧が集団の95パーセンタイル値以上を示し, 二カ月後の血圧測定 (6月) においても基準値以上であった生徒43人 (男子20人, 女子23人) を対象に, 食生活, 生活習慣ならびに疲労自覚症状についての調査を行い, 特性を知るための検討を行った。
疲労自覚症状と食事摂取との関連については, 精神的自覚症状の訴え得点が高い者には, 脂質, 加工調味食品, 漬物の摂取量が多く, 得点が低い者には味噌, 乳・乳製品の摂取量が多い, という有意な関連性が認められた。
生活習慣の中では, 就寝時刻が23時以降になるほど, また睡眠時間が7~8時間より長くあるいは短くなるほど身体的, 精神的疲労の自覚症状を訴える傾向にあるが, 休日の過ごし方としてクラブ活動を行っている者の疲労自覚症状は少なかった。
本調査研究によって, 若年肥満, 高血圧者には, バランスのとれていない食生活や就寝時刻の遅い生活習慣などに問題点を有していることが示唆された。

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