E-journal GEO
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解説記事
「都市のスポンジ化」に対する地理学的アプローチの有効性
荒木 俊之
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2018 年 13 巻 2 号 p. 560-566

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抄録

本稿では,都市計画基本問題小委員会において審議された「都市のスポンジ化」を取り上げて,それに関する研究動向,小委員会での議論の結果として提示された中間とりまとめを概説し,「都市のスポンジ化」に対する地理学的アプローチの有効性を検討した.現在,「都市のスポンジ化」の実態は,ほとんど明らかにされていない.また,それに影響を受けるであろう立地適正化計画は,都市圏の範囲で作成することが求められる一方で,「都市のスポンジ化」は街区単位の問題としてミクロな視点から捉えることが必要であり,それぞれ扱うスケールが異なっている.そのため,筆者は,都市圏を対象に,まずはマクロな視点から都市の低密度化を捉え,そのうえでミクロな視点から「都市のスポンジ化」の実態を明らかにする地理学特有のマルチスケールによる地域特性の把握が,その手法として考えられると示した.

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© 2018 公益社団法人 日本地理学会
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