E-journal GEO
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調査報告
チリ共和国におけるアルギン酸原料海藻類生産とその動向
横山 貴史
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2019 年 14 巻 1 号 p. 116-129

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抄録

アルギン酸は,褐藻類から作られる安定剤として,食料品生産のみならず様々な工業生産に欠かせない製品である.南米,チリ共和国は,世界のアルギン酸原料海藻類の一大生産地である.本稿は,チリにおける近年のアルギン酸原料海藻類の生産動向を,現地調査をもとにして報告するものである.チリでは,2000年代初頭から,アルギン酸原料海藻類生産の急増がみられた.その要因には,中国国内の養殖コンブの工業用から食用への利用用途の変化を背景とした中国の購買力の高まりがあった.そのため,海藻価格は上昇し,第3州ウアスコ地区では,海藻採取人の所得が上昇した.近年では,海藻採取が行われていなかった地域でも海藻採取が開始されるなど,チリではアルギン酸の原料海藻類の採取が過熱している.

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© 2019 公益社団法人 日本地理学会
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