配線板材料への大きな二つの要求である低誘電率·低誘電正接化とハロゲンフリー化を同時に満たす材料の開発を目的として、リン系化合物を用いた高周波材料の難燃化を行った。この結果、5GHzまでεrは2.8以下、tanδは0.010以下を達成する誘電特性の良好な樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の耐熱性は高く、動的粘弾性測定にてTgは212°Cを示した。また、得られた樹脂組成物を用いて樹脂付き銅箔を作製し配線板材料としての特性を評価した。作製したサンプル(コア材:日立化成工業製BE-67G/0.2t)はハロゲン化合物を含むことなく、難燃性UL-94 V-0を達成した。さらにはんだ耐熱性、銅箔引き剥がし強さ、層間絶縁信頼性も良好で配線板材料として優れた特性を示した。