抄録
近年,電子機器の小型化・高性能化に伴い,それらに用いられるプリント配線板も小型・狭ピッチ化が進んでいる.樹脂基板上に回路形成する際,配線を銅めっきにより形成するが,基材である樹脂基板表面上をエッチング処理し、アンカー効果により密着を得ている.しかしながら,樹脂表面をエッチングするとエッチング痕による配線の内部短絡の原因となってしまう。また,下地表面に凹凸が生じることより,後続のめっき皮膜表面も下地形状の影響から凹凸を生じる。よって,高周波領域では表皮効果により電気信号の遅延が起こってしまう.そこで、表面平滑性に優れた、ガラス基板に着目した。一般に、ガラス上へ金属皮膜を成膜する際に、クロム酸等によりエッチングを行い、アンカー効果により密着が得られている。しかしながら、我々はエッチングをすることなくガラス基板上に膨れ等のない銅皮膜を成膜することに成功したので、これを報告する。