抄録
近年、導電性ペーストは電子機器の小型化・軽量化・高機能化の観点から注目を集めている。例えばファインピッチ化の必要性が生じた液晶ディスプレイ実装の分野では、接続材として広く使われている。しかし実際、導電性ペーストの機械的、電気的性質に影響を及ぼす因子については明らかになっていない。従って、本研究では導電性ペーストの特性と各種因子の関係を検討した。具体的には、四端子法で電気抵抗測定を、せん断試験機で接合強度測定を、走査型電子顕微鏡で組織観察を行い、導電性ペーストの電気的・機械的特性に及ぼす様々な因子(溶剤の蒸発量、粒子含量、厚みなど)の影響をペースト中の金属粒子分布形態の観点から明らかにした。