抄録
近年、電子機器における熱設計のために熱シミュレーションソフトが広く普及しているが、いわゆるマルチスケールモデルへの対応が課題となっている。本稿では、プリント配線板のモデルにおける回路パターンや回路厚等の数10ミクロンオーダのモデルから配線板外形等が成すミリオーダのモデルまでの範囲において、それらのスケール共存を許容する簡易的なシミュレーション手法の提案を行う。また、手法提案の根拠として既存回路ガーバからサンプルパターンを幾つか作成し、その温度データを示す。本稿後半では、実際のサーモグラフィーによる熱画像及び従来の手法による解析値との比較考察を行う。