抄録
全印刷ダイオードや太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子等を生産するには、電極の仕事関数の制御が不可欠であるが、今までに印刷電極での仕事関数制御についての研究例は少ない。それゆえ、我々は、加圧アニール法を開発し、低仕事関数電極を印刷で作製することを試みてきた。銅と亜鉛を混合した金属ペーストを用いて印刷電極を作製し、加圧アニール処理を施したところ、銅と亜鉛の混合比の調整により、仕事関数を3.8eV~5.0eVまで制御できることを確認した。銅や亜鉛は比較的低価格の金属であるため、大面積フレキシブルデバイスの印刷形成等への応用が期待される。