学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
女性非アルコール性脂肪性肝疾患における生体電気インピーダンス法および握力と肝線維化指標FIB4 indexとの関連
植原 大介長沼 篤山居 伸以小川 祐介稲川 元明田中 俊行小川 哲史柿崎 暁浦岡 俊夫
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2019 年 1 巻 3 号 p. 114-121

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抄録

【目的】近年,非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;以下,NAFLDと略)の急激な増加が臨床的に問題となっており,肝線維化を簡便に評価する手法としてFibrosis-4(以下,FIB4と略)indexが開発されている.今回,女性 NAFLD の肝線維化評価における生体電気インピーダンス法と握力測定の有用性を検討した.

【対象および方法】当院において,2014年9月から2016年12月に血液検査および画像所見からNAFLDと診断した連続21例を解析対象とした.生体電気インピーダンス法と同時に握力測定も施行した.得られた各項目(位相角,体細胞量,細胞外水分比,四肢骨格筋指数,体脂肪率,下肢上肢筋肉量比)および握力と,肝線維化を反映するFIB4 indexとの関連性を検討した.

【結果】FIB4 indexは位相角と顕著に逆相関した(r=-0.758,p<0.0001).また,FIB4 indexは握力においても顕著に逆相関した(r=-0.777,p<0.0001).その他,FIB4 indexは体細胞量,細胞外水分比,下肢上肢筋肉量比の各項目でもやや相関を認めた.

【結論】女性NAFLD患者において,位相角と握力は肝線維化の程度を簡便に把握する上で有用であった.

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© 2019 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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