学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
1 巻 , 3 号
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目次
原著
  • 植原 大介, 長沼 篤, 山居 伸以, 小川 祐介, 稲川 元明, 田中 俊行, 小川 哲史, 柿崎 暁, 浦岡 俊夫
    2019 年 1 巻 3 号 p. 114-121
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】近年,非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;以下,NAFLDと略)の急激な増加が臨床的に問題となっており,肝線維化を簡便に評価する手法としてFibrosis-4(以下,FIB4と略)indexが開発されている.今回,女性 NAFLD の肝線維化評価における生体電気インピーダンス法と握力測定の有用性を検討した.

    【対象および方法】当院において,2014年9月から2016年12月に血液検査および画像所見からNAFLDと診断した連続21例を解析対象とした.生体電気インピーダンス法と同時に握力測定も施行した.得られた各項目(位相角,体細胞量,細胞外水分比,四肢骨格筋指数,体脂肪率,下肢上肢筋肉量比)および握力と,肝線維化を反映するFIB4 indexとの関連性を検討した.

    【結果】FIB4 indexは位相角と顕著に逆相関した(r=-0.758,p<0.0001).また,FIB4 indexは握力においても顕著に逆相関した(r=-0.777,p<0.0001).その他,FIB4 indexは体細胞量,細胞外水分比,下肢上肢筋肉量比の各項目でもやや相関を認めた.

    【結論】女性NAFLD患者において,位相角と握力は肝線維化の程度を簡便に把握する上で有用であった.

  • 矢澤 貴, 大竹 悟史, 赤澤 直也, 小山 淳, 柹田 徹也, 土屋 誉
    2019 年 1 巻 3 号 p. 122-127
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】介護老人保健施設(以下,老健と略)における入所者の喫食状況や血中ビタミン濃度に関する報告は極めて少なく,その実態は十分に分かっていない.そこで,老健で食事内容と喫食率の調査を行い,さらに栄養補助食品を提供した場合の影響を検討した.

    【方法】参加に同意を得ることができた入所者18名を対象とした.食事に加え,28日間,1日1本,ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB6(以下,VB6と略),ビタミンD(以下,VDと略)を強化した栄養補助食品を追加提供し,介入前後の各種血中ビタミン濃度について前後比較を行った.

    【結果】喫食率は90%以上であり,ビタミンの食事からの摂取量は十分であったにも関わらず,VB6で6名(33.3%),VDで18名(100%)が基準値を下回っていた.介入後,それらは有意に高値となり,基準値未満の入所者は,VB6で1名(5.6%),VDで5名(27.8%)まで減少した.

    【考察】VB6およびVDは食事からの提供量を増量することが望ましいと考えられ,その手法として栄養補助食品の提供が有用であると考えられた.

  • 下平 雅規, 長谷川 一幾, 池田 義明, 三井 憲, 水上 佳樹, 堀米 直人
    2019 年 1 巻 3 号 p. 128-133
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】上腕筋囲長(Arm muscle circumference;以下,AMCと略)とcontrolling nutritional status(以下,CONUTと略)の関係を年齢,性別,炎症を考慮して検討する.

    【対象および方法】386名(男性223名,女性163名,平均78歳)をCONUT値により4群(0~1;正常,2~4;軽度栄養障害,5~8;中等度栄養障害,9~12;高度栄養障害)に分類した.

    【結果】偏相関分析で年齢,性別,C反応性タンパク(C-reactive protein;以下,CRPと略)の影響を取り除いてもAMCとCONUT値は負の相関を認めた(r= -0.181,p<0.001).共分散分析で年齢,性別,CRPを調節して4群間のAMCを比較したところCONUT値の高い群ほどAMCが低かった(p for trend = 0.022).

    【結論】AMCは年齢,性別,炎症とは独立してCONUT値と相関し,CONUT値が高い群ではAMCは低い.AMCは有用な栄養評価法である.

  • 矢本 真也, 福本 弘二, 鈴木 恭子, 八木 佳子, 井原 摂子, 渡邉 誠司
    2019 年 1 巻 3 号 p. 134-139
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】経管栄養を行なう児の問題点として,胃食道逆流症,ダンピング症候群,胃瘻漏れ,下痢などの合併症管理に難渋する点が挙げられる.その対策の一つとして,投与栄養剤の半固形化あるいは半固形化栄養剤の使用が注目されている.今回,胃瘻から注入する栄養剤の半固形化による合併症改善効果と胃からの排出能について検討した.

    【対象および方法】2014年7月から2016年6月までに,当院にてラコールNF®配合経腸用半固形剤(以下,半固形製剤と略)を使用した53例を対象とし,効果について後方視的に検討した.うち17例で,液体経腸栄養剤と半固形製剤における胃排出能について消化管シンチグラフィーを用いて比較検討した.

    【結果】ダンピング症候群16例中13例(81%)で症状が消失し,胃食道逆流症10例中8例(80%)で逆流が消失し,胃瘻漏れ1例(100%)では漏れが見られなくなった.消化管シンチグラフィーを行なった17例のhalf empty timeは,液体経腸栄養剤使用時の中央値30分に比して半固形製剤では60分となり,有意に延長した.

    【結論】半固形製剤は早期胃排出を緩徐にすることで,ダンピング症候群の予防となり,かつ粘稠度が高いことと胃内残渣が減少することで胃食道逆流を軽減する効果が認められた.

  • 川名 加織, 井田 智, 佐々木 徹, 小泉 雄, 白尾 浩太郎, 鵜沼 静香, 熊谷 厚志, 中濵 孝志, 峯 真司, 比企 直樹
    2019 年 1 巻 3 号 p. 140-148
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】局所進行頭頸部がん患者の多くは術後に摂食嚥下機能障害をきたす.安全な摂食嚥下リハビリテーションには,適切な食形態の選択が必要である.しかし,当院では標準化された嚥下食がなく,改善が求められていた.そのため,学会分類2013をもとに新たに開発導入した嚥下食の安全性と効果を検討した.【対象および方法】2012年8月から2016年7月までに口腔がんに対し切除・再建術を行った99例(旧嚥下食群(C群)47例,新嚥下食群(N群)52例)を対象とした.経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去,退院までの期間,誤嚥性肺炎発症率などの術後経過を2群間で比較した.【結果】経口摂取開始から退院までの期間はC群で22.0日(16.0-32.8日)に対し,N群では16.0日(12.3-25.0日)であり,N群で有意に短縮していた(p=0.002).また,誤嚥性肺炎発症率はN群で少ない傾向にあった(C群:N群=10.6%:3.9%,p=0.19).さらに,誤嚥性肺炎発症患者での経口摂取開始から経鼻経管栄養チューブ抜去までの期間もN群で短い傾向にあった(C群:N群=19.0日:10.5日,p=0.43).【結論】N群はC群に比べて誤嚥性肺炎発症率を上げることなく安全に新嚥下食を導入できた.さらに,口腔がん術後患者の多岐に渡る嚥下障害に対して適した食形態を選択することができ,新嚥下食は摂食嚥下リハビリテーションを円滑に進めるための効果が期待された.

  • 嶋津 さゆり, 吉村 芳弘, 上野 いずみ, 工藤 舞, 白石 愛, 備瀬 隆広, 長野 文彦, 濱田 雄仁
    2019 年 1 巻 3 号 p. 149-156
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】脳卒中回復期における熊リハパワーライス®の臨床効果の検討.

    【対象と方法】2015年から2016年に連続入院した脳卒中回復期患者204人を対象とした後向きコホート研究.物性や分量,味や匂いを損なわず,軟飯に中鎖脂肪酸とたんぱく質を混ぜ込んだ熊リハパワーライス®を用い食事管理を行った患者群と,通常の食事管理を行った患者群の単変量解析,意識状態,嚥下レベル,栄養状態,日常生活自立度(FIM運動)等,12項目の傾向スコアでマッチングした2群間の検討と退院時FIM運動を従属変数とした多変量解析を行った.

    【結果】対象者は204人(平均年齢73.6歳,男性109人,女性95人),脳梗塞127人,脳出血62人,くも膜下出血15人.マッチング後(両群とも38人)では,熊リハパワーライス®摂取群は非摂取群と比較して多くのエネルギーを摂取し,体重と骨格筋量が増加,退院時の常食摂取の割合が高く,FIM運動が高かった(全てp<0.05).多重回帰分析では,熊リハパワーライス®摂取は退院時FIM運動に独立して関連していた(β=.169, p=0.02).

    【考察】熊リハパワーライス®は脳卒中回復期における栄養改善,身体機能改善に有効である.

  • 山本 貴博, 松井 智美, 麻生 博史, 安武 健一郎
    2019 年 1 巻 3 号 p. 157-166
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】当院オリジナルの高栄養主食の忍容性と有用性を検討することを目的とした.【方法】当院呼吸器内科に入院し,参加基準を満たした30名を層別ランダム化し,A・Bパターンの2群に割付け,10日間の介入試験を行った.Aパターンは1-5日目の昼食に高栄養主食,夕食に普通主食を提供し,6-10日目の昼食に普通主食,夕食に高栄養主食を提供した.BパターンはAパターンと逆に,1-5日目の夕食と6-10日目の昼食に高栄養主食を提供し,朝食は両群ともに普通主食とした.高栄養主食は中鎖脂肪酸トリグリセリド(medium-chain triglycerides;以下,MCTと略)オイル,MCTパウダー,粉飴,プロテインパウダーを一律に添加して作られた.【結果】最終解析対象患者29例について検討した結果,主食の喫食量は両群ともに9割を超える良好な結果であった.また,高栄養主食のエネルギー,たんぱく質および脂質摂取量は普通主食に比較し有意に高値であった(p<0.001).味の評価は両群間に差を認めなかった.【結論】当院オリジナルの高栄養主食は,呼吸器疾患患者に対して普通主食と同等の忍容性があり,栄養素等摂取量の確保にも有用である.

  • 壷井 邦彦, 李 悠, 岡村 昌彦, 水上 陽, 伊藤 鉄夫, 太田 秀一, 足立 幸人
    2019 年 1 巻 3 号 p. 167-173
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】消化器外科における包括医療費支払制度(diagnosis procedure combination;以下,DPCと略)長期入院ハイリスク群の抽出,ならびに現状のDPC入院期間設定の妥当性検証を目的とした.【対象および方法】2016年4月から2017年3月までに当科を退院したDPC算定全657例を対象とした.短期入院群,長期入院群に分類し,各種項目について比較した.過去起点コホート研究を行い,DPC長期入院のリスク因子を抽出し,長期入院が予想されるグループを決定した.各種サブグループにおけるDPC期間IIと実際の在院日数とを比較し,現状のDPC期間設定の妥当性を検証した.【結果】長期入院群は有意に低栄養であった.SGA,アルブミン値が長期入院のリスク因子であった.低栄養群では平均DPC期間IIと平均在院日数に乖離がみられた.【結論】低栄養症例に対する適切な栄養管理で入院期間を短縮させるとともに,DPC入院期間設定のための調査項目に入院時栄養状態を加えることが望ましいと考えた.

症例報告
  • 佐藤 由美, 照井 慶太, 中田 光政, 宮森 祐子, 嶋 光葉, 野本 尚子, 古川 勝規
    2019 年 1 巻 3 号 p. 174-180
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    【目的】経管栄養が長期化している児では,経口摂取が可能であるにも関わらず嫌悪する場合がある(oral aversion).計画的な経管栄養減量プログラムの経験を得たので報告する.

    【方法】外来で摂食・嚥下機能,栄養状態,食環境を評価し,入院1~5日目に経管栄養を10%ずつ50%まで減量(空腹誘導期),入院6日目に経管栄養を中止(集中的減量期)し,経口摂取を促した.

    【結果】症例1:先天性横隔膜ヘルニア術後2歳,経鼻胃管管理.空腹誘導期に経口摂取は進まず,集中的減量期に無症候性低血糖が出現.プログラムを中止したが外来にて経口摂取が増加し,プログラム開始27日目に経管栄養を離脱した.症例2:先天性横隔膜ヘルニア術後3歳,胃瘻管理.空腹誘導期に経口摂取が増加し,入院6日目に経管栄養を離脱した.

    【結語】本プログラムは経口摂取の増加・経管栄養離脱の契機として有用である可能性が示唆された.

  • 三松 謙司, 吹野 信忠, 西山 耕一郎, 福田 奈保子, 橋本 万里絵, 鈴木 沙央里, 阪口 美穂, 絹川 雅夫, 佐竹 陽仁, 斎野 ...
    2019 年 1 巻 3 号 p. 181-186
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    上咽頭がんの晩期嚥下障害は稀だが,栄養障害とQuality of Life(以下,QOLと略)低下の要因となる.今回,胃瘻栄養により栄養状態とQOLが改善した症例を経験した.症例は73歳男性.40歳時に上咽頭がんに対して化学放射線療法が施行されたが,再発したため救済手術,化学療法,放射線療法が施行された.当院受診1年前から嚥下障害が悪化し,誤嚥性肺炎を繰り返していた.ミキサー食を1日1回8時間以上かけて摂取していたが,栄養障害が進行した.このため,経皮内視鏡的胃瘻造設術を施行し胃瘻栄養を行った.流動食などの経口摂取と併用して,半固形状流動食1,200kcal/日を胃瘻から投与した.退院8カ月後には,体重と血清アルブミン値は増加し,栄養障害は改善した.また,食事時間が短縮したためにQOLは向上し,誤嚥性肺炎の再発もなくなった.上咽頭がん治療後の晩期嚥下障害による栄養障害に対して胃瘻栄養が有用であった.

  • 茨木 まどか, 東別府 直紀, 西岡 弘晶
    2019 年 1 巻 3 号 p. 187-193
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    半固形栄養剤の使用対象は,正常に近い胃の機能を持つ患者と考えられており,食道切除後の再建胃管に対する投与例の報告は稀である.

     今回,食道がん術後の患者の再建胃管に胃管瘻を作成し,半固形栄養剤を合併症なく投与できた症例を報告する.症例は67歳男性で,食道がんに対し食道亜全摘術,食道胃管再建術を施行し,同時に胃管瘻を造設した.術後,胃管瘻から空腸まで栄養チューブを挿入し液状の栄養剤を投与したが,投与時間が長いことや下痢のため,患者は経腸栄養剤の使用を自己中断していた.そこで胃管瘻チューブを16Frに変更し,半固形栄養剤を胃管内へ投与した.それにより経腸栄養剤の投与時間を大幅に短縮でき,下痢は起きず高血糖やダンピング症候群などの合併症もみられなかった.胃管の機能や器具の使用法に注意しながら半固形栄養剤を胃管瘻から胃管に短時間で安全に投与でき,食道がん術後の栄養管理法の一つになり得ることが示唆された.

  • 野村 肇, 中村 睦美
    2019 年 1 巻 3 号 p. 194-198
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    門脈ガス血症は腸管壊死を反映する兆候で,死亡率は高く,緊急手術が施行されることも多い.しかし,病態や重症度によっては保存的に治癒が見込めると考えられ,保存的治療成功例の報告も多くみられる.本症例は,77歳女性が腹痛・嘔吐を主訴に救急搬送され,小腸の癒着性イレウスと腸炎による門脈ガス血症と診断された.敗血症を呈していたが,小腸の造影効果は良好であったため保存的治療を選択した.全身管理を行いつつ,小腸粘膜へのグルタミン供給およびシンバイオティクスを早期に開始することで,一時は播種性血管内凝固症候群まで増悪した病態が速やかに改善した.シンバイオティクスは,プレバイオティクスとプロバイオティクスを併用して腸内環境を強力に整え,抗炎症効果を発揮する治療であり,いくつかの研究で有用性が報告されている.本症例に関しても,シンバイオティクスを取り入れた治療を早期から行ったことが保存的治療に有用であったと考えられた.

  • 畦地 英全, 長嶋 一昭, 菊地 三弥, 内藤 玲, 服部 武志, 筒井 未季, 田畑 直子, 平石 宏行, 松谷 泰男
    2019 年 1 巻 3 号 p. 199-205
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    神経性食思不振症における急性肝障害や低血糖は多く報告されているが,高齢者の飢餓状態でも同様の症例が報告されている.飢餓状態の急性肝障害は低血糖を防ぐための肝臓でのオートファジー(自食作用)が原因である.オートファジーとは,細胞内の不要なタンパク質を排除し,その恒常性を保つために必要不可欠な現象であるが,飢餓状態では糖新生のために肝細胞のオートファジーを起こしている.低インスリン,低アミノ酸,グルコース欠乏がオートファジーを誘導する.治療は栄養療法であるが,高度な低血糖を伴うことが多く,リフィーディング症候群に注意を行いつつ,早期から慎重かつ十分な栄養療法を行うことが推奨される.今回,我々は半年間で認知症患者,精神疾患患者に,急性肝障害と低血糖に低インスリン血症を伴った飢餓状態の3症例を経験した.今後,超高齢化社会において同様な患者の増加が懸念されるため文献的考察を加え報告する.

施設近況報告
  • 川瀨 義久, 小山 恵, 中村 直人, 宮島 紀彦, 伊藤 聡一郎, 加藤 郁子, 山田 三枝, 櫛田 智仁
    2019 年 1 巻 3 号 p. 206-212
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/05
    ジャーナル フリー

    何らかの疾患を持つ経口摂取不良の高齢者の栄養管理に対し,経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;以下,PEGと略)や皮下埋没型中心静脈ポート(totally implantable central venous access device;以下,CVポートと略)などが選択されている.当院で2008年度から2015年度までに行われたCVポート造設術は全818例あり,そのうち栄養ルート目的が416例であった.CVポートは年々増加する一方,PEGは減少していた.栄養ルートのためのCVポート造設416例のうち,緩和ケア症例を除く74例が栄養管理目的であり,年々増加傾向を示した.これを栄養ルートの適否について検討したところ,74例のうち59例(78%)はPEG適応ありもしくは余地ありと判断された.PEG適応であるにもかかわらずCVポートが選択された理由はPEG拒否16例(27%)が最も多かった.これらの背景には,PEGの診療報酬改定,転院先や在宅医療の事情,そして患者・家族の希望などが垣間見える.CVポートの適切な医療提供のためには指針の整備や保険医療の見直し,さらにはアドバンスケアプランニング(ACP)などの社会的なコンセンサスが求められる.

編集後記
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