学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
ポリファーマシーの実態と薬剤がアルブミン値に与える影響(第1報)
四十物 由香鴨志田 敏郎小川 竜徳阿部 春果鈴木 俊一鈴木 薫子齋藤 祥子青山 芳文
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2020 年 2 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

【目的】ポリファーマシーの実態と薬剤がアルブミン値(以下,Alb値と略)に与える影響を明らかにする.【対象および方法】2018年4月2日~7月27日に持参薬を確認した患者のうち,総服用薬剤数6剤以上の患者割合を算出した.これらの患者背景と総服用薬剤数を調べ,特に食欲低下をきたすことが知られる代表的な12薬効群とAlb値の関係を検討した.【結果】ポリファーマシー患者は578/1,892名(30.5%)であり,総服用薬剤数とAlb値に相関は認められなかった(r=-0.125,p=0.003).オッズ比は,総服用薬剤数1.105倍,女性0.398倍,降圧剤0.572倍,オピオイド4.067倍,抗認知症薬8.874倍であった.【結論】総服用薬剤数とAlb値に明らかな相関は認められなかった.また,Alb値の低下に影響を与える因子は,総服用薬剤数,男性,オピオイド,抗認知症薬であった.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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