学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
症例報告
胃がん術後の経腸栄養により門脈ガス血症を発症した1例
原田 愛倫子船水 尚武石山 哲
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2020 年 2 巻 1 号 p. 46-50

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抄録

症例は81歳の男性.食事の際につかえ感を主訴に前医を受診し,精査加療のため当科を紹介受診となった.上部消化管内視鏡検査で噴門部胃がんを認め,胃全摘および腸瘻造設術を施行した.術後2日目から腸瘻より経腸栄養を開始したところ,翌日にショック状態に陥り,多臓器不全を伴う播種性血管内凝固症候群(disseminated intervascular coagulation;以下,DICと略)となった.原因検索の胸腹部造影CTで門脈ガスおよび腸管気腫を認めた.DICおよび多臓器不全に対してDIC治療,血液透析を含む全身管理を行い,発症後7日目で改善が得られた.DIC発症後8日目のフォローアップCTで門脈ガスは消失したものの門脈血栓を認めた.そのため抗凝固療法を行い,DIC発症後27日目には門脈血栓が消失した.経腸栄養に伴う門脈ガス血症は稀な合併症であり,文献的考察を加えて報告する.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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