2020 年 2 巻 1 号 p. 9-15
【目的】施行中の経管栄養の妥当性の評価を目的として排便スケールの見直しを行い,それらを考察した.【方法】WhelanらのKing’s stool chart(以下,KSCと略)をベースに,スタッフや患者により適したものに改変(modified King’s stool chart;以下,MKSCと略)した.次に栄養サポートチーム(nutrition support team; 以下,NSTと略)が介入し,経管栄養を施行した患者47名のMKSC値と下痢のリスク因子を解析した.【結果】多変量解析よりMKSC値の増加因子として低アルブミン血症が関与していることが示唆された.またNST介入終了時の下痢改善可否は介入期間における最高MKSC値と関連することが示唆された.【結論】経管栄養管理においてMKSCによる排便評価は下痢の改善予測の指標としての有用性が示唆された.