2020 年 2 巻 2 号 p. 103-111
【目的】脳卒中患者における急性期至適栄養プロトコールを経腸栄養剤の違いから検討した.【対象および方法】急性期脳卒中患者のうち,早期経腸栄養プロトコールで栄養管理が行われた患者51例を対象とした.1.0kcal/mLの標準組成栄養剤を用いた1.0kcal群28例と1.5kcal/mLの2種類の栄養剤(高たんぱく消化態栄養剤およびPHGG配合栄養剤)を用いた1.5kcal群23例について経過およびアウトカムを調査し,後方視的に比較検討した.【結果】1.0kcal群と比較して1.5kcal群で,消化管トラブルによるプロトコール停滞率が低く,プロトコール完遂までの日数も短縮された.1.5kcal群は,体重減少率が低く,血液生化学所見における栄養炎症の指標も改善していた.【結論】脳卒中患者の急性期栄養管理に対する1.5kcal/mLの高たんぱく消化態栄養剤およびPHGG配合栄養剤を使用した栄養プロトコールは,1.0kcal/mL栄養剤の場合と比較し有益であることが示唆された.