学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
外来化学療法症例におけるタブレット端末を用いた遠隔在宅食事支援システムの有用性
河合 美佐子白井 由美子福森 和俊奥川 喜永渡邊 暁子三枝 晋田中 光司三木 誓雄
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キーワード: 外来がん患者, 食事支援
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2020 年 2 巻 2 号 p. 112-123

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抄録

【目的】外来がん患者の食事・体調のセルフケア向けに開発した『体調記録』と『メニュー検索』機能を持つ「がん通院患者の食事支援システム」の有用性を調査する.【対象および方法】当院で抗がん剤治療中の外来患者27名に,本システムのアプリケーションソフトを搭載したタブレット端末を3カ月間居宅にて使用させ,1カ月毎に使用感等を評価させた.この間,院外の管理栄養士が週1回,記録された体調を参照して個別に食事のアドバイスを配信した.【結果】被験者20名(男性15名,平均64.0歳)が高い記録率を以て(平均93%)試験を完遂し,簡便性等使用感や食事支援・体調記録としての有用性の評価は概ね良好であった.食事のアドバイスは患者や介助者の食事への実務的かつ心理的支援となったと評価された.【結論】本システムは外来がん患者の体調記録に有用で,特にこのシステムを活用して行った食事のアドバイス配信は食支援として有用であった.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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