学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
透析患者の骨格筋量指標に対する運動栄養療法の効果
稲生 美紀増田 賢中川 佳恵寺島 龍一林 茂藤村 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 2 巻 4 号 p. 244-251

詳細
抄録

【目的】栄養療法を行っている透析患者に対する透析中の運動療法の効果について,骨格筋量指標(skeletal muscle mass index;以下,SMIと略)に着目して後方視的に検討した.【対象および方法】当院に通院中の透析患者26名を対象とし,運動療法を施行した14名(平均年齢62.7 ± 7.55歳)を介入群,施行しなかった12名(平均年齢66.3 ± 12.5歳)を非介入群とした.両群ともに,日常的な栄養療法に加えて,管理栄養士・看護師が食事指導を行った.各群のSMIの6カ月での変化量と変化率を調査し,比較した.【結果】SMIの変化量は,介入群で6.44 ± 0.94 kg/m2から7.06 ± 1.00 kg/m2に有意な増加を認めた(p = 0.000)が,非介入群では有意な変化は認められなかった.SMIの変化率は,介入群が109.85 ± 7.13%,非介入群が99.90 ± 6.94%と,介入群が有意に高値を示した(p = 0.001).【結論】透析患者において,運動療法と栄養療法での介入は,SMIを増加させる効果があると示唆された.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top