学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
原著
身体計測に基づいた末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)挿入長の予測式の作成
国島 正義竹田 明希子岩崎 泰昌
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2020 年 2 巻 4 号 p. 236-243

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抄録

【目的】PICC(peripherally inserted central catheter;以下,PICCと略)挿入前に至適な挿入長の予測は困難なため,事前の身体計測に基づいたPICC挿入長の予測式の作成を目的とした.【対象および方法】2016年5月から2017年5月までにPICCを挿入した患者(n=222)を対象とした.対象患者の身体計測は,胸骨上下長1/2の長さ(Acm),胸骨上縁中央から上腕骨頭の長さ(Bcm),上腕骨頭からPICC刺入部の長さ(Ccm)を計測し,合計した長さを[Xcm]とした.PICC挿入長と体表計測の関連因子を抽出し,重回帰分析を用いてPICC挿入長の予測式を算出した.【結果】PICC挿入長の簡易予測式は,Xcm×0.63+11.1-Ycm+Zcm [X:身体計測(Acm+Bcm+Ccm),Y:右上肢の場合1.99cm,左上肢場合0cm,Z:上腕静脈の場合0.85cm,尺側皮静脈および橈側皮静脈の場合0cm]となった.【結論】PICC挿入長は体表計測に基づいた簡易予測式を用いて挿入前に予測が可能であるが,胸部単純レントゲンによるPICC先端位置の最終確認は必要である.

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© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
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