学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
症例報告
レボドパ・カルビドパ配合経腸用液導入時に薬剤師が介入した1症例
高橋 真巳秦 英司本城 総一郎島田 美樹
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 2 巻 4 号 p. 270-276

詳細
抄録

【症例】70歳台 女性,進行型パーキンソン病にて加療中.20XX/10/17経口摂取不良のため栄養管理目的にてNST紹介となり,介入中にレボドパ・カルビドパ配合経腸用液の導入が決定した.【経過】NST紹介時,摂取エネルギーは必要量に対して著しく不足しており,患者状態に応じて栄養の投与経路を末梢静脈,経鼻,経胃瘻,経口あるいはこれらを併用しながらエネルギー必要量を維持した.その結果,アルブミン,トランスサイレチンはほぼ正常値にまで改善した.レボドパ・カルビドパ配合経腸用液の導入によってADLは大きく改善し薬剤師は常用薬を患者状態に沿った内容へ適正化した.【考察】栄養の重要性と薬剤の特性を理解した上での薬剤師の介入は,円滑なレボドパ・カルビドパ配合経腸用液の導入に貢献した.さらに薬剤師が介入することで患者の服薬状況を最適化し,必要な治療を継続させることが可能となった.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本臨床栄養代謝学会
前の記事 次の記事
feedback
Top