抄録
有機半導体材料を用いたディスプレイ用バックプレーンの研究開発が国内外で活発になされている。特に溶媒可溶性の有機半導体材料を用いる場合、作製プロセスとして印刷法を用いることが可能となるため、低コスト・フレキシブル・大面積のディスプレイ用バックプレーンが実現可能となる。これらを実現するためには、有機半導体層のみならず、電極や絶縁層などのTFT構成要素全てを印刷法により形成する必要があり、そのプロセス開発が急務である。
我々は、TFTの電極として要求される解像度や膜厚、表面平坦性を実現可能な印刷プロセスとして「転写印刷法」を新たに開発した。この印刷プロセスを用いることで膜厚100 nm程度、解像性1ミクロン以下の超高精細パターンが印刷可能であることを実証した。また、有機半導体層の形成プロセスとしては、既存の凸版印刷法を元に部材やプロセスの最適化を行い、TFTとしての動作を確認するとともに優れた面内均一性を示すことが確認された。
今回、これらの印刷法を用い、TFT全ての構成要素を印刷法により作製した150 ppiのフレキシブル有機TFTを用いて対角5.35インチのE Ink電子ペーパーを駆動することに成功した。基材にはPENフィルムを用い、フォトアシストやフォトリソグラフィーを用いることなくTFTアレイを作製した。この印刷法により作製した有機TFTはキャリヤ移動度0.2 cm2/Vs以上を示し、優れた面内均一性を示したので報告する。