2015 年 59 巻 1 号 p. 45-49
M蛋白検出のスクリーニングは,血清蛋白分画電気泳動(以下,蛋白分画)が有用であり,蛋白分画でしか検出できない事例も多い.日常検査においては,グロブリン量(TP-Alb)と免疫グロブリン定量値(IgA+IgG+IgM)との乖離がきっかけで,異常蛋白が検出されることがある.その乖離の原因の多くはM蛋白と試薬の反応異常によるものと考えられる.今回グロブリン量の乖離を発端にスクリーニングとして蛋白分画を実施し,見出されたM蛋白症例を報告する.事例1:TP-Alb<免疫グロブリン総和から見つかったγH鎖病 事例2:TP-Alb>免疫グロブリン総和から見つかったBJP 事例3:総ビリルビン値と血清色調の乖離から見つかったIgG-κ型M蛋白