2020 年 64 巻 1 号 p. 31-34
キャピラリー等電点電気泳動では,pH勾配を動かさない検出,すなわちin situ検出が高い性能を発揮するのに不可欠である.これによって分析時間の短縮と分離法としての頑健性が高まる.in situ検出にはイメージング検出と走査検出の2種の方法がある.イメージング検出はpH勾配全体に亘る検出を時々刻々と行うことができる.一方,走査検出は定常状態に達した焦点化プロフィールを得るのに有用である.キャピラリー等電点電気泳動とアフィニティー技術の結合は,生体試料に含まれる特定のタンパク質の分析において新しい選択肢となるだろう.