電気泳動
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総合論文
Phos-tag解析から見えてきた新しいEGFR活性化機構
田中 智大周 越櫻井 宏明
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2020 年 64 巻 1 号 p. 45-48

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抄録

Phos-tagバンドシフトアッセイを用いることで,タンパク質リン酸化を簡単に解析することが可能である.この方法を用いて,EGFによるEGFR活性化を解析したところ,定型的なEGFRチロシン自己リン酸化はごくわずかしか起こっていないにも関わらず,発現しているほぼすべてのEGFRがp38によって非定型的なリン酸化を受けていることがわかった.EGFRの細胞内輸送機構を詳細に解析したところ,EGFによるEGFRのエンドサイトーシスは,定型的なリガンド結合型と非定型的なリガンド非結合型のものがほぼ同時に起こっており,前者はリソソーム経路へ,後者はリサイクリング経路へと運ばれていることがわかった.また,リガンド濃度が高いと定型的エンドサイトーシスが多くなるためリソソーム経路へ,逆にリガンド濃度が低い場合は非定型的エンドサイトーシスが多くなるためリサイクリング経路が優位になることがわかった.

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© 2020 日本電気泳動学会
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