2022 年 66 巻 1 号 p. 13-18
電気泳動は,分離分析などの研究に欠かせず,遺伝子解析,シーケンシングにおいても電気泳動法は重要な手法のひとつである.
キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)でα2分画に検出された異常ピークに関して詳細に解析し,造影剤の影響であることがわかった.既報もあったが,その造影剤の同定に関する報告やこのアーチファクトの除去方法に対する報告はない.
今回造影剤の特性を理解し,様々な基礎的検討を実施し,遠心タイプの限外濾過を使用することでアーチファクトの除去に成功した.このことは微量なmonoclonal様ピークが検出された際には本研究で確立した除去手法を実施し,M蛋白と造影剤によるアーチファクトとを区別することのみならず,その影響を除外した臨床データを報告することが可能である.