電気泳動
Online ISSN : 2189-2636
Print ISSN : 2189-2628
ISSN-L : 2189-2636
論文種目:技術
キャピラリー電気泳動法においてα2-β分画に出現した造影剤によるMonoclonal様ピークの解析
新関 紀康
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 66 巻 1 号 p. 13-18

詳細
抄録

電気泳動は,分離分析などの研究に欠かせず,遺伝子解析,シーケンシングにおいても電気泳動法は重要な手法のひとつである.

キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)でα2分画に検出された異常ピークに関して詳細に解析し,造影剤の影響であることがわかった.既報もあったが,その造影剤の同定に関する報告やこのアーチファクトの除去方法に対する報告はない.

今回造影剤の特性を理解し,様々な基礎的検討を実施し,遠心タイプの限外濾過を使用することでアーチファクトの除去に成功した.このことは微量なmonoclonal様ピークが検出された際には本研究で確立した除去手法を実施し,M蛋白と造影剤によるアーチファクトとを区別することのみならず,その影響を除外した臨床データを報告することが可能である.

著者関連情報
© 2022 日本電気泳動学会
前の記事 次の記事
feedback
Top