がん治療法の発展に伴い,以前よりは不治の病の印象が薄くなったとは言え,がんは死因第一位の座から降りて来そうにはありません.ピロリ菌による胃がん,肝炎ウイルスによる肝細胞がん,パピローマウイルスによる子宮頸がんなどいくつかのがんは予防が可能になって来ました.これからはさらにがん予防を推進していけばもっとがん罹患率をさげていけるかもしれません.このシンポジウムでは(1)実験的炎症発がんモデルを用いたがん予防の方策(2)大腸がん予防に対しての化学予防(3)ワカメ等の褐藻類に含まれているフコキサンチンによる大腸がんの予防のテーマで,がん予防の今後の展開を議論させて頂きました.