電気泳動
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論文種目:総説
電気泳動によるゲノムリテラシー教育
大藤 道衛
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2023 年 67 巻 2 号 p. 65-70

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抄録

ゲノム医療の進展に伴い,個人遺伝情報に関わるゲノムリテラシー教育の必要性が高まっている.PCR-電気泳動分析は,ヒトゲノムDNAのバリアントを泳動バンドのプロファイルとして視覚的に観察できることから,遺伝学ならびにゲノムリテラシーの醸成教育に有効な手段である.米国では,バリアント解析実験キットや,安価なPCR装置も教育現場で活用されている.全米科学教育協会(NSTA)では,電気泳動はゲノムを理解するSTEM教育へ向けた教員研修会のテーマの一つとなっている.実験者自身のゲノムDNAを解析することは,ゲノムリテラシー醸成に有効である.我が国では,教育目的でゲノムを扱う実験についても指針の趣旨に準じて取り扱うべきであり適切な運用方法が議論されてきた.今後,電気泳動に対する理解を深め,実験方法や個人遺伝情報の扱いなど教育現場での指導者養成が必要である.

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© 2023 日本電気泳動学会
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