2025 年 69 巻 2 号 p. 17-22
近年,1細胞RNAシーケンス技術の進展により,1細胞トランスクリプトームデータが実用的に取得可能となった.その結果,得られたデータから,細胞の多様性や不均一性が環境適応や疾患発症に重要な役割を果たすことが明らかになってきた.これに伴い,トランスクリプトーム解析と同様に,1細胞レベルでのプロテオームやメタボローム解析への期待と関心も高まっている.一方で,タンパク質や代謝物はPCRなどによる増幅ができないため,1細胞レベルでの解析は容易ではない.したがって,1細胞メタボロミクス・プロテオミクスの進展には,さらなる革新的技術の開発が求められる.本研究では,「1細胞サンプリング技術」「マルチオミクス解析のための試料調製法」「超高感度分析系の開発」の3要素技術を構築し,これらを連携させたシングルセル・マルチオミクス解析法(メタボロミクス,プロテオミクス)を紹介する.