2025 年 69 巻 2 号 p. 11-15
イメージング質量分析(Imaging Mass Spectrometry: IMS)は,空間オミクスの一種であり,質量分析計によって試料表面を二次元的にスキャンすることで,空間情報と質量情報を同時に取得する技術である.この手法では,数千から数万に及ぶ測定点(ピクセル)から質量スペクトルが得られ,そのデータ量は極めて膨大になる.IMSによって得られる大規模データのイメージング解析技術が発展したことで,組織染色や免疫組織化学などの従来の組織学的手法では観察が困難であった生体構造の抽出が可能になってきている.本説では,情報エントロピーと空間情報の粗視化とニューラルネットワークに基づいて,質量スペクトルから特徴量を抽出し“情報イメージング”として紹介する.さらに,抽出した特徴量を活用したIMSの空間分解能向上に関する取り組みについても報告する.