抄録
本研究では,低年齢の子ども(3 歳児クラス相当から小学校 3 年生以下)を対象とした 2 時点の縦断調査を実施し,子どものデジタルゲーム利用に対する保護者の介入行動(レーティング確認行動・技術的介入・制限的介入・積極的介入・共利用・モニタリング)が彼らの適応(攻撃性・ 困難さ・向社会性)にどのような影響を及ぼすのかを検討した。分析の結果,レーティング確認行動による攻撃性の低下,制限的介入による困難さ(特に行為および多動における不適応)の低下,積極的介入の 1 つである語りかけとモニタリングによる向社会性の向上が見られた。低年齢の子どもにとって,単なるゲーム遊びの共有よりも保護者が代わりにレーティングのマークを確認し,ルールを決め,ゲームで起きたことの良し悪しを伝える介入がより適している可能性が示唆された。