関東地方においてはトウキョウダルマガエル(Rana porosa porosa)はその分布域や個体数が徐々に減少してきているカエルであるといわれている。しかし、本種の保全生態学的なデータは不足しているため、基礎的なデータの収集が必要とされている。 本研究では東京都町田市にある2つの谷戸(神明谷戸、五反田谷戸)を調査地とし、トウキョウダルマガエル個体群における成長と年齢構成を明らかにすることを目的とした。 定期調査は、原則として毎週フィールドを調査し、発見した個体全てを捕獲した。捕獲した個体は体長と体重を測定し、年齢査定を行うために左後肢の第3指を第2関節まで切り取り10%ホルマリン容器に入れ固定した。固定した指を脱灰し、凍結ミクロトームにより薄切し、骨切片に見られる年輪から個体の年齢を査定した。講演ではこれらの結果から本種の谷戸田における年齢と成長について考察する。