IoT時代における安全安心は,通信及び機器における情報の保護に大きく依存する.特に通信経路及びIoT機器における情報改ざん・情報窃取などから情報を保護する暗号技術やハードウェアの保護技術が重要となっている.暗号は,ICカードのようなハードウェアによる実装と,その他大多数を占めるソフトウェアによる実装に大別できる.ハードウェアは柔軟性に乏しいため,ごく一部を除いてはソフトウェアが望ましいものとされることが多い.特にセキュリティにおいては次々と考案される暗号アルゴリズムへの対応を考えたとき,ハードウェア化は二の次と考えられやすい.ところが,その一方で,それが原因で本来実用になることでIoTの利便性及び安全性が飛躍的に向上するはずの暗号系が,性能面から利用されないといった課題もある.ここでは,それらの暗号アルゴリズムがあまねく普及することを期待し,代表的な暗号アルゴリズムのハードウェア実装例,ハードウェアの真がん性やCPUにおけるぜい弱性に至るLSIのセキュリティに関して紹介する.